2023年4月30日 / 最終更新日時 : 2023年7月30日 GS 文学・小説 清水婦久子著 『光源氏と夕顔―身分違いの恋―』 その1 新典社新書 2008年刊 ■『夕顔』巻 冒頭の疑問 『夕顔』こそが源氏物語が偉大な文学作品へと高まっていく契機となる巻だと感じているのだが、源氏物語を初めて読んで以来、『夕顔』に関してはよく理解できない点が二つあった。 一つは光源氏が初めて夕 […]
2023年3月20日 / 最終更新日時 : 2024年1月23日 GS 文学・小説 山本周五郎 『青べか物語』の「経済原理」 その2 我々は作者とともに「美しいものは何もない」浦粕の人々に対し、その狡猾さ、醜悪さを見、その無知に蔑みの目を向け、優越者の立場から憐れみの思いさえ抱きながら、この物語を読み始める。しかし、次第に我々の目は作者の目同様、それ […]
2023年2月28日 / 最終更新日時 : 2024年1月23日 GS 文学・小説 山本周五郎 『青べか物語』の「経済原理」 その1 久しぶりに『青べか物語』を通読して、勘違いに気づいてしまった。何度も読んでいるのだが、適当にいくつかの話を択んで読んでいたためだろうが、この主人公「蒸気河岸の先生」は小学校の教師であり、その一方で画家や作家稼業をしてい […]
2023年1月31日 / 最終更新日時 : 2023年2月6日 GS 花の話 アロエの花 今年は年明けから葬儀が続き少々気持ちも落ち込んでいたのだが、それも終えた6日、庭に出てみて驚いた。アロエに花が咲いていたのである。年明けとともに花序が伸び始めたのだろう。気持ちも明るくなる。 このアロエは、45年ほど […]
2022年12月28日 / 最終更新日時 : 2024年2月5日 GS ジャズ 岡田暁生氏のモダン・ジャズ観 以前の書き抜きノートを見ていたら、モダン・ジャズについて岡田暁生氏の興味深い言及を抜いているのに気づいた。『西洋音楽史 「クラシック」の黄昏』(中公新書)からのものだ。この著者のものは、みな素晴らしく面白い。今まで言及 […]
2022年11月27日 / 最終更新日時 : 2022年12月3日 GS 花の話 朝倉の山茶花 我が家の道路際の植え込みに、朝倉という品種の山茶花がある。私が植えたものではなく、この家に移ってくる前から植えてあったものだ。 この朝倉山茶花の花が実に愛らしい。手入れを怠らず大切にしていたのだが、ぼさ菊と同様、ここ数 […]
2022年11月26日 / 最終更新日時 : 2023年12月2日 GS モーツァルト モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲K.423,K424 (2) モーツァルトの2曲はどうすばらしいか K.423ト長調を聴いてみよう。 冒頭部は一聴して、ヴァイオリンとヴィオラの役割がM.ハイドンのものとは違っているのがわかる。第2小節では、却ってヴァイオリンがリズムを切っている。 […]
2022年11月26日 / 最終更新日時 : 2022年11月26日 GS モーツァルト モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲K.423,K424 (1) 小林秀雄が『モオツァルト』を書き終えた数年後に、ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲が好きでよく聴いている、と書いていたか言っていたか、記憶があいまいになってしまった。が、ともかく1960年ころにこの曲をよく聴いてい […]
2022年11月11日 / 最終更新日時 : 2022年11月26日 GS 与太話 ぼさぎく その後のその後 JAの直売店まで「ぼさぎく」さがしに出掛けた。 あった、ラックの一番下のポットトレイの片隅に、ふたつだけ残っている。黄色と紫である。名札は「ぼさ菊」である。が、少々しおれかかっている。 「白のぼさ菊はありませんか」 […]
2022年11月6日 / 最終更新日時 : 2022年11月26日 GS モーツァルト Lynda Lynn Haupt: MOZART’S STARLING 3 音楽泥棒第4のルートはあるか? Haupt女史の著作では、これまでにあげた3つの仮説だけである。シャーロッキアン端くれの私としては、これを放置するにしのびない。 では、それ以外の仮説というのはどういうことになるのだろ […]