朝倉の山茶花

 我が家の道路際の植え込みに、朝倉という品種の山茶花がある。私が植えたものではなく、この家に移ってくる前から植えてあったものだ。
 この朝倉山茶花の花が実に愛らしい。手入れを怠らず大切にしていたのだが、ぼさ菊と同様、ここ数年の多忙さに手入れを怠ったためか次第に葉の緑は薄くなり、この2年ほどは残念ながら蕾もつかず、花を目にすることもできなかった。

 今年は、正月から剪定を行い有機肥料をたっぷりすき込んで、体力回復を目指した。今年の猛暑が少々心配だったが、次第に葉の緑は濃さを取り戻し、10月ころからついに小さな蕾が着き始めた。以前ほど数は多くなさそうだが、数年ぶりの花である。

 11月に入ると、次第に蕾はふくらみを増し、中旬になると色づき始めた。以下、写真日記である。
 11月13日、一番色づきのいい蕾のついた枝を標本枝と決めた。
 しかし、14日以降、ほとんど変化が見られない。開花しないのではないかと、少々心配になった。
 11月16日、朝起きると、いつの間にか、2つの蕾が開き始めていた。朝倉の山茶花は、このころが最もかわいい。一番外側の花弁をほんのりとしたピンクが染めている。中心部は、まさに白玉つばきを思わせる純白さである。
 11月17日、たった1日で、完全に開いている。一番愛らしい時期はほんとうに短いものだ。これから天気が崩れるとのこと、すぐに散ってしまいことだろう。

 右の写真は16日の別の枝に開き始めた花である。この愛らしい姿は1日だけのものだ。左のものは17日の写真の左下の花を拡大したものだ。ほんのりしたピンクはさらに薄く、今にも消えてしまいそうである。

 今日25日、朝起きてみると、ここ数日の雨ですっかり花が落ちてしまった。しかしまだ、色づき始めた蕾がいくつか残っている。まだしばらくは、楽しめそうだ。

 ちゃんと手をかけてあげれば、しっかりと答えてくれる。花が終わったら、早速来年の準備を始めるとしよう。

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