2024年12月31日 / 最終更新日時 : 2025年1月1日 GS 文学・小説 毎月のうた⋯⋯(補)その二 ■ 大岡信 『芝生の上の木漏れ日』 大岡信の『瑞穂の国うた―句歌で味わう十二か月―』(新潮文庫)に収められたアンソロジー、『芝生の上の木漏れ日』を読む人は誰も、その表題が一体何を意味するのか、奇妙な思いにとらわれるだろ […]
2024年12月31日 / 最終更新日時 : 2024年12月31日 GS 文学・小説 毎月のうた⋯⋯(補)その一 ■ 三好達治『諷詠十二月』 毎月の扉句 『諷詠』が『十二月』をうたいながら、実際には多くの月で歳時的なものというよりも「詩話」的なものであるのは、「毎月のうた」でこれまで見てきた通りである。 煩雑になるため「毎月のうた […]
2024年12月31日 / 最終更新日時 : 2024年12月31日 GS 文学・小説 毎月のうた⋯⋯十二月 年の瀬にはこの一年を振り返らねばいけない……とは思うものの、本気でやるととんでもなく収拾のつかないことになりそうだ。そもそも、こんな好き勝手な引用だらけの文章は、著者に対して失礼極まるものなのかも知れない。ただ、語り忘 […]
2024年11月27日 / 最終更新日時 : 2024年11月27日 GS 文学・小説 毎月のうた⋯⋯十一月 現役時代サンフランシスコに何度か行くことがあったのだが、かの地の気候も相当に変則的なものだ。マーク・トウェインが「私の経験した最も寒い冬はサンフランシスコの夏だ」と言ったとか。私も8月に恐ろしいほど寒い目にあった。また […]
2024年10月30日 / 最終更新日時 : 2024年10月30日 GS 文学・小説 毎月のうた⋯⋯十月 十月に入っても、今年の夏は暑さを置き忘れているようだった。数日おきに夏日が戻ってくる。しかしながら、夕方にはどうにか“秋来ぬとさやかに”感じられるようになってきた。 こうなると日本酒の出番である。 日本酒は世界で最も […]
2024年9月30日 / 最終更新日時 : 2024年9月30日 GS 文学・小説 毎月のうた⋯⋯九月 秋が短くなったとか、無くなってしまうのではという事を時々聞くようになった。今年の夏は確かに、そう思わせる異常さだった。近年の四季感が変わっているのではないか。私が住む横浜で実感する四季分けである。梅雨も一つの季とせざる […]
2024年8月30日 / 最終更新日時 : 2024年8月30日 GS 文学・小説 毎月のうた⋯⋯八月 節気というのは旧暦、新暦に関係ないので、昔もこの時期が立秋のはずだ。昔は果たして本当に秋が来ていたのだろうか。今年も猛暑である。九月まで暑さが続くとの予報も出されている。ひょっとすると、このままもう日本の秋は無くなって […]
2024年7月24日 / 最終更新日時 : 2024年8月13日 GS 文学・小説 毎月のうた⋯⋯七月 歳時記的なものを作る人にとって、七月はなかなか難しい月ではないかと思う。二十日あたりまでは梅雨、それ以降はもう八月といっていいような真夏である。風物詩になりそうな趣きのあるものもない。三好達治、大岡信ともに、七月には少 […]
2024年6月29日 / 最終更新日時 : 2024年9月22日 GS 文学・小説 三島由紀夫の『仙洞御所』 もう随分前のことになったが『古美術読本 庭園』という文庫本を読み、その中の一篇、三島由紀夫の「仙洞御所」に衝撃的な感銘を受けた。同書は、その他に志賀直哉「竜安寺の庭」、井上靖「桂離宮」、大佛次郎「修学院離宮」をはじめ、 […]
2024年6月26日 / 最終更新日時 : 2024年6月26日 GS 文学・小説 毎月のうた⋯⋯六月 水中花と言つて夏の夜店に子供達に売る品がある。木のうすいうすい削片を細く圧搾してつくつたものだ。そのままでは何の変哲もないのだが、一度水中に投ずればそれは赤、青、紫、色うつくしいさまの花の姿にひらいて、哀れに華やいでコッ […]