2024年5月21日 / 最終更新日時 : 2024年5月22日 GS 文学・小説 毎月のうた⋯⋯五月 「五月の朝の新緑と薫風は私の生活を貴族にする」 (『月に吠える』「雲雀料理」端書より) これが、あの『月に吠える』の中にあることが不思議なほど美しい、最高の五月賛だ。 今年は桜のあと、いっせいに草 […]
2024年4月30日 / 最終更新日時 : 2024年4月30日 GS 文学・小説 毎月のうた⋯⋯四月 入学などの人事を除けば、日本人にとって四月はすなわち桜だ。それしかない。近年温暖化の影響か、桜は三月のものになっていたが、今年は四月に戻ってきた。連日、テレビのニュースでは、トップで桜開花を待ち受けている。大さわぎだ。 […]
2024年3月18日 / 最終更新日時 : 2024年4月30日 GS 文学・小説 毎月のうた⋯⋯三月 毎年二月末になると、昨年仕舞った雛人形を取り出す。孫娘のためである。娘が家が狭いと言って、我が家を物置きにしているためだ。 このお雛さんが我が家に来てからもう四十年になる。妻の実家から娘の誕生祝いにもらった一段飾りの木 […]
2024年2月29日 / 最終更新日時 : 2024年3月2日 GS 文学・小説 毎月のうた⋯⋯二月 今年はオリンピックで閏年である。閏年の二月というと、まず思い出す本がある。チェコの作家カレル・チャペックの『園芸家12カ月』である。二月の章から引用しよう。 用心しなければならない。昼間は甘言をもって灌木の芽をおびき […]
2024年1月30日 / 最終更新日時 : 2024年2月1日 GS 文学・小説 毎月のうた⋯⋯一月 一年十二カ月、各々の月の詩歌を選録したアンソロジーは、これまでに数冊は読んだはずだが、今手元にあるのは、三好達治の『諷詠十二月』と大岡信の『芝生の上の木漏れ日』(『瑞穂の国うた』所収)だけである。私はこれまで、この手の […]
2023年12月31日 / 最終更新日時 : 2024年1月30日 GS 文学・小説 O・ヘンリー『警官と讃美歌』 原作と映画 2 最後の教会の映画でのシーンは、原作から大きく作り変えられている。原作を引こう。 だが異様なほど静まり返った角に来て、ソーピーは立ちどまった。そこには、古風な、不規則な恰好の、破風のある古い教会が立っていた。紫色の窓から […]
2023年12月31日 / 最終更新日時 : 2024年1月22日 GS 文学・小説 O・ヘンリー『警官と讃美歌』 原作と映画 1 福島申二氏の朝日新聞連載「斜影の森から」での『O・ヘンリー 大都会の名もなき鼓動』(12月22日夕刊)は、元天声人語執筆者の筆になるだけあって、優れたエッセイであると感じた。 少々長くなるが、その冒頭、まくらの部分を […]
2023年12月14日 / 最終更新日時 : 2024年2月10日 GS 文学・小説 阿倍仲麻呂 百人一首第七番歌 三笠の山にいでし月かも 百人一首の第七番歌としてあまりに有名な阿倍仲麻呂の歌 天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも の「三笠の山に出でし月」については、仲麻呂が日本にいた時に見た三笠の山の月を回想しているという過去説と、今ちょう […]
2023年6月24日 / 最終更新日時 : 2023年6月24日 GS 文学・小説 清水婦久子著 『光源氏と夕顔―身分違いの恋―』 その3 新典社新書 2008年刊 ■和歌の伝統を踏まえて冒頭歌をよむ それでは、夕顔の冒頭歌の “正しい”解釈とはどのようなものか。それを明らかにするために著者は、「それと……見……」、「心あてに見……」が使われた万葉集以来の歌を抜き出す。それらの語の […]
2023年5月31日 / 最終更新日時 : 2023年5月31日 GS 文学・小説 清水婦久子著 『光源氏と夕顔―身分違いの恋―』 その2 新典社新書 2008年刊 ■ 冒頭歌のを源氏はどう読んだのだろうか このような夕顔という女性に対して、娼婦性がある、あるいは娼婦であるという見方は、ただこの巻の最初の夕顔の歌を、すなわち、 心あてにそれかとぞ見る白露の光そへたる夕顔の花 をどう […]